阿波国便り・草の実篇

徳島の友人から、散歩道での寓目写真が届きました。メールには[百舌が甲高く鳴き、もはや初冬の風情となりました]とあります。今年は各地で百舌が目立つのだそうで、我が家の周囲でも、今までになく頻繁に鳴き声が聞かれます。

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蒲の穂絮

ソーセージドッグに似た蒲の花穂は、生け花にしても面白いものですが、♪蒲の穂絮にくるまれば 兎はもとの白兎 という童謡に出てくる穂絮との関連が分からなかったので、写真を送って下さいとお願いしました。[熟した穂を握るとパンと弾けて、穂綿になるそうです。]とのこと。

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薏苡

これは懐かしい。ジュズダマです。子供の頃はこの実をつないでネックレスを作りました。熟すと1粒ずつグレイやセピアの文様がある、堅くて光る実になり、よさそうな株は、熟すまで友達にも内緒にしておいたものでした。祖母は、2,3粒枕に入れておくと夢見がよくなると言って、冬の布団を仕立てる時には私が採ってきた実を使いました。今は漢方薬として重用されるようです。

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槇の実

子供の頃、よく生垣に使われていた木です。植物図鑑で、実は食べられると知って、食べてみたことがあります。徳島の友人は、ぬるっとして美味しくなかった、と言うのですが、私には、小さすぎて舌の先に甘みを感じただけの記憶しかありません。

ほかにも目を細めて笑う山羊や、たわわに実をつけた柿の木、朱色になった烏瓜の実など、平和な河川敷の風景が添付されていました。