キャッチコピー

コロナ禁足で精神的に逼迫する毎日。朝のメールチェックのついでに、ツイッターで「今朝」と富士、花、空、猫などの検索語を組み合わせ、投稿写真を見て風穴を開けていることは前にも書きましたが、最近は「海」という語も加えました。湘南育ちなので、海を見ると心が広がります。寄せては返す波を、終日眺めても飽きません。投稿に地名がついていれば、かつて旅した時の思い出が蘇り、投稿者の仕事開始についての書き込みがあれば、それぞれの地方の産業や働く人の姿が思い出されます。

在職時代は、机上に置く、また机の脇に掛ける小さな暦に、毎年、海の特集と雲の特集を選んでいました。職場と家を往復するだけの日々でも、せめて想像力と安定性を失いたくない、と思っていたのです。近年はPCやスマホのカレンダーで用が済むのか、手頃な大きさの美しい暦を入手するのが難しくなりました。その代わりを果たしてくれるのが、ツイッターの投稿写真というわけです。

車のCMに、「海を見たいと女が言った」というキャッチコピーがありました。連れて行ってくれる男を持ったことはありませんが、心を掴まれる惹句でした。歌謡曲に名曲が多かった時代があったように、キャッチコピーの名作が続出した時期があったように思います。キャッチコピーのランク投票をしたら、どんな時代のどんな名句が並ぶでしょうか。

私が挙げるベスト4はー「海を見たいと・・・」のほか、「今日も元気だ、煙草がうまい」。「そうだ、京都行こう」と「ふたたびの奈良」の対。そして「反省だけならサルでもできる」を付け加えておきます(反省どころか、自らの言動のもたらす意味さえ認めない人間が横行する今日この頃)。