川越便り・牧水篇

川越の友人から、秩父両神ダリア園へ行って来た、というメールが来ました。解析度の高いカメラを使っているらしくて、我が家の小さなNPCでは全景写真は受け取れませんでした。

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ポンポンダリヤ

かつて蔵王の麓のダリヤ園を訪ねたことがあります。背が高く、葉の茂った中に花が咲いていましたが、今は薔薇と同様に低く、葉を少なくして栽培するようです。

[新車の試運転を兼ねて秩父へ行ってみました(片道90分程度)。350種類5000株が植えられているそうですが、山の斜面がきつくて参りました。 

若山牧水は私も昔から好きな歌人ですが、数年前、東九州自動車道を利用して延岡に足を運んだ折、牧水の生家と記念文学館を見学してきました。牧水の父は医者だったそうですが、二階建ての小さな家でした。祖父は埼玉県の所沢の出身で、若い時に長崎へ行って医学を学び、宮崎で開業したという説明板を見た時は吃驚しました。出身地の所沢市神米金(カメガネと読む)は、私がよく通る道筋のど田舎です。こんな所から一介の農民の倅が長崎へ勉強しに行ったという、明治人の意思と行動力とに驚かされます。

秩父にも牧水の故地として記念碑やら何やらがいくつもあります。]

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両神ダリア園のダリア

ダリヤは大正から昭和初期には、ハイカラな花だったのではないでしょうか。牧水は、ダリヤの歌をよく詠んでいます。

絶望といひ終焉といひ秋の日のダリアの如き言葉のかずかな(秋風の歌)

夕かけて風吹きいでぬ食卓の玻璃の冷酒の上のダーリア(同)