美ら海

先島諸島カヤック探検家が廻るTV番組を視ました。宮古島石垣島へは行ったことがあるのですが、海から行ったことは勿論ありません。西表島の密林の中の滝は島とは思えぬ別世界。殊に海と砂と珊瑚礁の美しさは、終日見ていても飽きないと思いました。

コロナの中で、鼻の大きな芸人の顔ばかり大写しで見せられるのにうんざりしていました。こういう時こそ、旅する番組を視たい。今はハンディなカメラを持って、独りでドキュメントを撮ることもできるはず。TV人たちは今こそ、このメディアの能力をとことん追求し、新たな番組形式を世に問うべきでしょう。不勉強だと思います。

珊瑚礁に40年ほど前に座礁したという錆びた船も、今や景物となっていました。案内人の探検家は、自然のまっただ中にただ一つ人工的な物体があって、それが自然に融け込んでいく姿を見るのも面白い、と紹介していました。

モーリシャスの海を思い出しました。醜く重油を垂れ流す日本船。自然を元に戻すのに何十年かかるか分からない、という。彼国は観光立国です。どう償うのか。日本から駆けつけた専門的協力団も、油まみれになって手伝っているらしい。さらに廃油の扱いにくさは、長く、広く影響があること。かつて鳥取で、砂丘に咲いた浜昼顔を撮影しようとしたら、砂に隠れた廃油ボール(日本海沖を航行する船が落としていく)を押しつぶし、Gパンを1本駄目にしたことがありました。

弊国にはたしか環境省という役所があり、担当大臣もいたはず。あの日、どこへ行って何をしていたのでしょうか。謝罪に訪れないまでも、日本の協力団に、何か役に立てることはないか、と問い合わせることくらいはしたのでしょうか。造船技師たちは、オイルタンクの設計を工夫して、今後は一度に流れ出さないようにはできないのですか。