迷走

COVID2019感染者数が日々増えています。検査数が増えているからだと説明しているようですが、陽性率も増えている。若い人だから大丈夫、という言い方がされていますが、その人たちが無症状、無自覚なまま、マスクなしで談笑しながら歩き、満員電車に乗り、移動します。5000人規模までなら集会もOKになりました。医療は逼迫していないから未だいい、との説明もありますが、もし発病したら、今のところこれという特効薬はない。自らの免疫力だけで乗り切れる保証は、誰にもありません。

行政のやることは、迷走しているように見えます。殊に不可解なのは、Gotoキャンペーンなるものの前倒しです。観光業てこ入れという名目のようですが、いまこの状況下で、割引されるからと言って遊びに出かける人たちが、どれだけいるでしょうか。東京五輪への焦り、補助金財源の限界、そういう本音がチラ見えします。「夜の街」が問題、と言って目をそらしている間に、都市部ではすでに市中へ広がっているのでは。

術後検診で東京に3時間半滞在し、帰宅後着衣全てを洗濯した、と友人からメールが来ました。それほど用心している人たちの一方で、「あえて言う、もう自粛はしない」(その下に小文字で「は暴論か」と付けてある)という特集を組んだ週刊誌もある。

行政には、さまざま「言わない」動機があります。専門家と呼ばれる人たちも、立場や経験がさまざまで、ピンポイントで的確な見解を出しているわけではない。彼らの指示を待ち、行政の金銭的支援だけに頼ったら、生き延びられないと思うべきです。いま現在頼れるのは各自の体力と、保健衛生の基礎知識と、それに、いささかの忍耐力・想像力でしょう。みんなが賢く行動すれば、みんなが助かる。高齢者のために我慢するわけではありません。