体験的電子事情・マンション回線篇

マンション管理組合の総会に出ました。3年ぶりに会場を借りての総会です。議事は順調に進み、マンション共有のIT回線の契約会社を変えるかどうか、という話になりました。速度を上げて繋がりやすくするには現在のメルアドが使えなくなる、ということなので、私のように、このメルアドで全てをやっている人間は困惑しました。

すると今まであまり総会に出て来なかった中年男性がべらべらと、引っ越しすればメルアドは変わる、それも考えずに仕事にマンションのアドレスを使うのは、言語道断だ、と言い始めたのです。思わず私の口から、「言語道断ってなんだ!」という言葉が出ました。彼は吃驚したらしい。私はここを終の棲家として買った、フリーランスで仕事をするのに住居のメールを使って何が悪い、いやどうすればいいんだ。大立ち回りです。

既視感がありました。世の中がデジタルに変わり始める頃、自分が先進的だと思っている人間には、こういうおっちょこちょいがよくいました。職場でアナログの年長者と対立し、唯我独尊になるタイプです。未だにいるのか・・・というのが率直な感想でした。

総会は、もっといろんな選択肢を検討して、大勢の意見を聞いてから決めよう、ということでお開きになりましたが、彼が「どうも失礼しました」と挨拶した時、私は彼の期待した笑顔は作りませんでした。「そうですよ」とまず言い、「社会人として呆れました。言語道断なんて言葉は簡単に使うものではない」と言い切って、会場を出ました。我ながら苦笑しました。リタイアして、会議や討論でのつっこみ瞬発力、1歩も退かないオーラ等はとっくに失われたと思っていたのですが・・・身体が震えていました。

新緑の街をバスで走りながら頭に浮かんだのは、ああいう手合いに命名すれば、デジタろっちょい、かな。