キウイ

いつも輪切りにするキウイを、今日は縦4つ割りにしてみました。猪の仔ウリンボウみたいでかわいい。最近は健康にいいとして流行っている果物ですが、私が初めて見たのは50年前のインドででした(当時、輸入果物は贅沢品だったのです)。

ところで、キウイを未だ見たことのない人に説明するとしたら、どうしますか?海外で自宅の晩餐に招ばれると、食後、女性だけ別室で談話をする時間があります(外交官夫人と商社員夫人の小社会には独特の難しさがあって、話題選びもたいへんなのだということを、その時学びました)。ある夫人が、キウイをこう説明していました―切ると胡瓜に似ていて、味は柿です。聞いても想像がつきませんでした。インドは果物と花とに満ちあふれた国で、日本人には珍しいものばかり。翌日、市場で実物に出会って、なるほどと合点しました。

その後、マタタビの仲間であることや、雌雄異株の落葉蔓植物で棚仕立てで栽培することや、ニュージーランドで国鳥にちなんで命名されたことを知りました。最近は国産も多く出回っているようです。健康にいいと言っても、生食以外の食べ方は思いつきません。生ハムを乗せるとか、サニーレタスにオレンジとキウイを銀杏形に切って混ぜたサラダ(彩りを楽しめる。あっさりめのドレッシングにするのがコツ)にするくらいです。縦2つ割りにしてスプーンで掬って食べる、とするレシピもありますが、ゴールド種向きでしょう。グリーン種はやはり、果肉にすこし歯ごたえのある方がいい。