女系家族

明日喜寿になる、という母方の従姉と待ち合わせて、87歳になる従姉を老人ホームに訪ねました。今年は桜が早かったので、庭はもう葉桜になり、みずきの白い花と紅い石楠花がきれいでした。

昼食をはさんで5時間、あれやこれやのお喋りをしました。3人ともこの1年でめっきり老化が進んだ、という自覚があり、墓を守る話(と墓じまいの話)、老後の身元保証の話などが出ました。嫁ぐと戸籍上の縁が切れる現在の戸籍制度は、(男同士の結婚は認められつつあるのに)時代に合わなくなっているのではないか、しかし男子中心の家系制度は当分変わらないだろう、という話も出ました。なぜか我が家は父方も母方も女系家族(女の子が多い)なので、3人で盛り上がりました。

戦中戦後に一緒に住んでいた湘南地方の砂浜に、浜防風(高級な刺身のつまについてくる、茎の紅い植物です)が自生していて、風味のある食材だった(茹でて酢味噌和えにすると、香りと色合い、歯触りが楽しめる)という話から、それぞれの父親が苦労してその時代を乗り切ってきた話、早世した弟妹の思い出、この一族は当時としてはやはり、ちょっと変わった自由な気風だったね、という話・・・秘話もいろいろ出ました。

そろそろ、と言って腰を上げ、横浜駅まで行くシャトルバスが来る玄関前に出て愕然。気づかないうちに外は暴風雨になっていて、向こうが見えないくらいです。しかし、横浜駅に着くと雨は止み、東京では地面が濡れてもいませんでした。喜寿前夜と後期高齢者直前の2人は、来年も来られるようにがんばろうね、と言い合って別れました。