南国酒家

古くからの知人と南国酒家で遅い昼食を摂りながら、お喋りをしました。家族の噂、趣味や健康、40年前の思い出話、国産航空機(MRJ)開発の難しさ、老後の住まいのこと・・・

知人はかつて航空機の設計技師でしたが、41歳で妻を亡くし、小学生だった子供3人を育て上げ、今は社交ダンスが趣味で悠々自適、と言いたいところですが、住宅公団の借家の建て替えで、2年後に立ち退きを言い渡されているとのこと。80歳になって何度も引っ越しするのは大変だから、どんな生活を選ぶか考えておいた方がいい、と忠告したのですが、介護保険制度以降、我々が知っていた老後の住まいのイメージは通用しなくなっていることが、分かりにくい。

特養ホーム(公共老人ホーム)は入居申請者の倍率がすごい(これが我々が知っていたイメージ)、だけではなくて、今は、要介護3以上に認定されないと、そもそも申請が難しいのですが、要介護3とはどんな状態か、というところから知らなくてはなりません。では在宅老人の不自由を補うには、どんな制度があるのか―公共サービスか民間事業かボランティアなのか、区別がつきません。有料なのか無料なのか、守秘義務などの訓練を受けているのかどうかも分かりません。民生委員やら老健施設職員やらが訪問して来るが、何をしに来たのか明確には知らされません。何だか大勢で壮大な徒労をしているような気がするのは、私だけでしょうか。

南国酒家の料理は美味しかった。薬膳コースと銘打っていますが、懐石料理風というか、和風中華というか、眼にやさしく、味もしつこくなく、多様な食材をあれこれ工夫して出していました。特に浅利と桜蝦の生姜味炒飯は、さすがプロの炒飯、という感じでした。デザートはわらび餅かと思ったら、高野豆腐の揚げ物でした。