虹の彼方に

同時代史は断片的、自分が通り過ぎてきた一瞬の記憶だけで綴られているので、何かのきっかけでその背景を知り、愕然としたり、腑に落ちたりすることが多い。このブログを書くために調べてみて、へえ~そうだったのか!と驚くこともよくあります。

子供の頃、講談社の少年少女文学全集(だったと思う)に、『オズの魔法使い』という1冊がありました。少女ドロシーが愛犬トトと一緒に、家ごと竜巻に吹き飛ばされ、故郷に帰るために旅をする話です。道中、脳みそのない案山子、心のないブリキの木こり、臆病なライオンと出遭い、桃太郎よろしく彼らを連れて、望みを叶えてくれるというオズの魔法使いに会いに行く。ファンタジーらしいけど、ところどころよく分からない要素があり(例えば、ブリキの木こりというキャラクター)、愛読するというほどではありませんでした。結末は、案山子には知恵があり、木こりには人を思う心があり、ライオンにも勇気はあって、自信が無かっただけということが判り、ドロシーも無事故郷へ帰ります。

作者名も覚えていなかったのですが、調べてみると、ライマン・フランク・ボームという人だそうで、出版は1900年、大ヒットし、1937年には映画化され、ジュディ・ガーランドという女優が劇中歌「虹の彼方に」を歌いました。不満だらけだった女の子が大人になる話、第1次大戦で荒廃した米国人を励ましたという解説がついていました。日本では第2次大戦後にこの曲が流行りました。オズの魔法使いの正体などは「ルパンⅢ」がパクっています。LGBTのシンボルカラーが虹色なのは、あの女優に因んでいるという説明には吃驚しました。そうだったのか!

今夜は、高校時代にフォークダンスで踊った「マイム」が、イスラエル苦難の開拓時代の歌だと知って、愕然。井戸掘りで荒地に水を得た時の歌だそうです。