あくまで個人の感想です

久しぶりにセンター試験(今は大学入学共通テストと言うらしい)の、国語の問題を覗いてみました。現代評論、現代文学、古文、漢文の4題であることは変わっていませんが、現代文2問の文章量(関連資料や選択肢も含めて)の多さにまず吃驚しました。率直に言って、第1問は読み終わるまでに眠気が差しました。長くて面白くない。受験生は眠気どころではないでしょうが。第2問も変わった作品だな、と思いましたが、私が最近の文学作品を読み慣れていないせいかもしれません。ただ、どちらもむやみに情報量が多くて、出題意図の推察に辿り着くまでに時間を取られるだろうな、と受験生が気の毒になりました。まあ現役の受験生は、こういう文章や問題に慣れてきているのでしょうから、余計な同情に過ぎませんが。国語の試験問題はせめて、それだけ読んでも面白いと思える文章を選ぶのが試験官の作法だと、私は考えてきました。

第3問の出典『草縁集』なんて知りませんでしたが、古文の素材には制約が多いので、だんだん擬古文の出題が多くなったのでしょうね。以前にもこのブログに出題の苦労話を書きましたが、学校文法の規範から外れない、しかし教科書などに採られていない、短く纏めて切り出すことができる等々の条件を満たせる古文は、そう多くないのです。

かつてある女子大に勤めていた時、珍しくセンター試験の監督に当たっていなかったので、のんびり新聞を広げて愕然!自校の入試問題に使ったのと同じ作品が出題されている。もし問いが重複していたらどうしよう、試験用紙はすでに印刷済み、どこかの金庫の中、今から問題を差し替えることは不可能・・・どきどきしました。落ち着いてから、女子大でしか使えない場面(入試には、性別で受容が異なる問題を出してはいけないという掟がある)を選んでおいたことを思い出しました。