過而不改

他人の意地に振り回されて、多数の人が損害を被らされる話が続いていて、やりきれません。デジタル大臣と前中央銀行総裁がその最たるものですが、ほかにも関西万博の件もあり、某国大統領の特別軍事作戦も同様です。万博の方は、この際、プレハブ造り(技術的には高度なものもあるはず)のパビリオンが恒例になるのもいいかな、と思っていたのですが、どうやら国費を注ぎ込み、総力を挙げて支援させられるらしい。

マイナーカード(私の中では、マイナーな発想のカード、という呼称として定着した)問題はこのブログに度々書きましたが、真相が報ぜられるにつれ、ますます実施計画のお粗末さに言葉を失う。殊に健康保険証との一体化は、デジタろっちょい(DX自慢のおっちょこちょいを言う造語)の担当大臣が意地を張って撤回せず、迷惑は拡大するばかりです。総理の「不安を払拭し」「国民の納得を得る」「丁寧な説明」とは、結局、推し進めます、やめません、という意味を繰り返すだけであって、ゆっくりした口調ではあっても丁寧ではなく、不安の原因は取り除かれない。申請なしに有効期限5年以内の資格確認証を出すというが、その手間と費用は、誰が持つのか。5年以内に問題は解消するのか。電子化すれば便利と言っても、医療組織が変わらなければ患者側は便利にはなりません。

異次元の金融緩和やらバズーカ砲やら、本来の立場を投げ捨てた男の意地で、財政の将来を賭け物にしたこの10年。慎重に修整していくのにどれだけの時間がかかるか、その間、果たしてまっとうな運転感覚を保てるのか、私たちは拱手して見守るしかありません。やりきれないのは、これらがどれも、権力を握った者の無知な思いつき、自己顕示、保身に起因していること。彼らの教養は何のためか。

過而不改、是謂過矣。そして過則勿憚改。学校で習ったよね?