義務教育

今朝の新聞報道によれば、義務教育年齢に当たる滞日外国人の子供で、未就学者が2万人近くに上るというー目を疑いました。日本で暮らしながら基本的な教育を受けられないでいる子供たちの数が、5桁にもなっているなんて。日本はそんな国だったのか、という衝撃でした。国籍に拘わらず、日本で暮らしているなら、それ相応の教育を受けているものと、何の根拠もなく思っていました。

移民を認めるかどうかに関係なく、就学年齢の子供には教育の機会が保障されるべきです。そう思いませんか。1人の人間にとって、同じ年齢は一生に1度しかない。日本にいたために、その年齢で受けるはずの教育を受けなかったなんて、日本国の恥でしょう。日本語が分からないから学校に入れないのだとすれば、どんなかたちであれ支援体制を用意するのは、教育委員会の仕事ではないですか。

日本国憲法は国民に3つの義務があると定めています。勤労、納税、そして教育(しばしば誤解されているようですが、義務教育は、学校へ行く義務ではありません。保護する子女に教育を受けさせる義務です)。つまり日本国民ならすべて、一定の教育を受けて15歳になる。ならば同じ社会の中で暮らす人はみな、同程度もしくはそれに近い水準の教育を受けているのが望ましい。それは教育を受ける側の権利としてだけでなく、社会的コストの問題としても、です。

400年前の幕府でさえ、法治国家に必要な最小限度のリテラシーを国民に保障すべく、寺子屋を普及させました。住民登録さえしていれば、あるいは一定期間日本に滞在するのであれば、義務教育もしくはそれに準じる教育を受ける、受けられる制度を、官民共に知恵を出して整えるべきではないでしょうか。焦眉の急、として。