豊後便り・天南星篇

別府で悠々老後を楽しむ友人から、天気が好いのでフェリーで宇和島へ行った、というメールが来ました。山野草好きなので、武蔵鐙と踊り子草の写真添付でした。

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武蔵鐙

宇和島城は小さいけれど奇麗なお城でした。土塁に「武蔵鐙」の大きな株がたくさんあり、花をつけています。関東では、同じ「テンナンショウ属」でも「マムシグサ」を山野でよく見かけますが、「ムサシアブミ」は見たことがありませんでした。

ムサシアブミは複葉が3枚、艶のある大きな葉が特徴で、すぐ分かります。仏炎苞は丈が低く、葉の下に隠れています。】

そして私がブログに書いたカラスビシャクについて、詳しい説明がありました。

カラスビシャクサトイモ科ハンゲ属に属する植物で、テンナンショウ属ではありません。日当たりのよい畑地などに生える雑草で、テンナンショウ属に比べると小さめです。他方、テンナンショウ属の植物は薄暗い林床に生育します。草丈は50~70センチくらいで、比較的大きめです。テンナンショウは地域差が非常に大きく、分類が難しいとされています。テンナンショウマムシグサは仏炎苞が葉よりも高く伸び、まるでマムシが首を伸ばしているように見えるところから名がついたらしい。ウラシマソウカラスビシャクに一番似ていますが、1本の茎の先に複葉を一つだけつけるのが特徴です。葉は長楕円形で11~17枚の小葉です。仏炎苞の付属体が、苞の中から糸のように長く伸びて垂れ下がる様が特徴的で、浦島太郎が釣り糸を垂れている姿に見立てて名が付けられたそうです。以上は全て有毒で、ただし多くが漢方薬として使用される有用植物でもあります。】

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宇和島の踊り子草

踊り子草は群生すると、野草とは思えないほど華やかです。36年前、鳥取へ赴任して初めて城址を案内された時、崩れかけた土の階段脇に密生しているのを見ましたが、今はもう整備されすぎて、生えなくなったかもしれません。