好日

昨日、久しぶりに大学図書館へ出かけました。入館ゲートが一新されていて、入館証が通用しない。焦りました。やっと入れて貰い、まず国文学誌の論文を渉猟、ゆっくり読みたいものはコピーを取ります。誰かもネット上でぼやいていましたが、近年は引用した相手に、抜刷を送らない人が増えました。かなり重要な結論部分を拠っていても・・・えーっ、とか、おやおや、とか呟きながら複写しました。

秋らしい好日の構内を眺めながら、定番のスパゲッティを食べたのですが、現役時代はこんな塩辛いものを食べていたのだっけ、と思いました。午後からは、目白押しに出版される中世日本史の本をチェック、買うべきか走り読みでいいかを見極めました。

ほどよいところでやめ、根津美術館へ「日本・東洋の花鳥表現」展を観に行きました。欧米系の外国人が多く、中には、日本人の方が説明を受けているカップルもいました。普段は考古学的にしか見ない青銅鏡も、こんなに繊細な文様が太古から刻まれていたのだと知って、つくづく鑑賞しました。絵画は紙が変色してしまったものが多く、観るのが難しい。それでも筆の速さや空白部分の配置など、惹きつけられる作品がありました。2階へ上がって、刀装具、就中縁頭の彫金細工の精巧さ、斬新さに感嘆しました。こんな耽美的なものを武士は身につけていたのかーただ照明が暗くて、細工がよく見えません。拡大写真をすべてに添えて欲しいと思いました。

最後に夜長月茶室展示で、黒高麗徳利と盆に載せた染付水鳥文盃と絵唐津盃(酒肴をひとつまみ載せると似合う)が無造作に置いてあるのを観て、思わず、はやく帰っていい器で呑もう、と考えたのですが、赤坂の交差点を塞ぐ大型警備車のため大渋滞、2時間もかかって帰宅しました。

根津美術館の展示「美しいいのちー日本・東洋の花鳥表現」は11月4日まで。