パセリ

パセリ農家では、パセリを丸ごと使う料理をいろいろ工夫していることを、TV番組で知りました。素揚げにして塩を振ると美味しいのは知っていましたし、ちゃんとした料理店で出てくれば(ひどい店は使い回しする)、生でも葉だけつまんで、塩かマヨネーズで食べたりしますが、料理というほどのアイディアはありませんでした。じゃこと炒め合わせるなどは、味付けを我が家の好みに変えたらいいかも、新鮮なものが野菜売り場に出たらやってみよう、と思いました。

父が現役だった頃、朝食会を兼ねた会議で、あるメンバーが、決まって丼一杯のパセリを特注し、真赤なケチャップをかけて食べる習慣だったそうで、立場上敵対することが多かったせいもあり、父は、悪趣味だと敬遠していました。健康にはいいのでしょうが、美意識としては合わない気がします。

刺身に付いてくるのも、不似合いな感じがします。もともと殺菌・防臭作用を活かした肉類の付け合わせだったはずで、刺身には香りが強すぎるからです。かつて老大家のお供をして、学会帰りに入った飲み屋で刺身を注文したら、大皿山盛りのパセリの上に並べて出されたことがありました。素人風の年増女性数人でやっている、いかにも流行っていない店です。杯片手に自説を語り続ける老大家はいいのですが、連れてきた若い人たちのお腹が鳴るのが分かり、私は仲居さんにこっそり、このパセリを素揚げしてくれと頼みました。店を出るとき勘定書を見たら、しっかり1品分の代金が計上されていました。

バジルなどのハーブと寄せ植えにすると綺麗なので、庭で育てたこともありますが、青虫がつきやすい。意外でした。「蓼食う虫も」とは、このことだなと思いました。