就活

経団連会長が、新卒の採用日程を、経済団体が規制するのには違和感がある、と言ったことに原則共感しました。自由化した場合に生じる問題は、別途、対策を考えるべきでしょう。自由競争の資本主義なのだから、企業ごとの採用時期や方法はそれぞれで知恵を絞って編み出すのがいい。初任給や勤務時間など労働条件に関わる部分には、ある程度、申し合わせや交渉、ときには行政の指導監督も必要かも知れません。しかし、今年どういう人材がいつ欲しいかは、それぞれの企業に事情があって、もはや、終身雇用の安定した40年を保証できる職場はどこにもないでしょう。

学生を送り出す側として、近年納得が行かなかったのは、新卒でないと就活にエントリーできないから、という理由で卒業条件は満たしているのに留年する学生が増え、大学側もそういう理由を公認するようになったことです。あたら大事な1年を、と思いました(だいたい、そういう留年はあまり好結果をもたらさないことが多い)。よく問題になる9月新学期是非の議論にも、卒業後の半年を就活に当てる可能性を設けてみてはどうだろうか、と思います。

企業の方も、学生も、そして大学側も、新卒を一斉に篩に掛けて同時期に就職させる、という考えを脱ぎ捨てる必要があり、しばらくは混乱があるかもしれませんが、学校あるいは幼稚園から、終身雇用の安全組織へ一直線のエスカレーターに乗る、という発想を捨てて、人生設計は自分でするのだ、そのためにひろく学ぶことが必要なのだ、という仕組みに作り変えていくことが、これからの社会には相応しい、と考えます。