梅雨明け十日

梅雨が明けました。例年より2~3週間も早い。年と共に夏に弱くなり、晩年、夏の学会には出ない、と言っていた水原一さんの気持ちが、分かるようになりました。我が家の寝室は東向きなので、毎朝、太陽が「今日も元気だ、灼いたるぜい!」と言わんばかりに、早くから照りつけます。

花茣蓙と藺草の座布団を出して熱湯で拭き、干しました。父祖の地博多は、けっこう夏暑く冬寒い、気候の厳しい所です。夏は敷布でなく花茣蓙と、陶器製の枕カバー(タイルを紐でつないだようなもの)で寝るのが親たちの習慣でした。湘南で暮らした幼年時代には、縁側に籐椅子と籐製の衝立が置いてあって、夏の日曜日には、そこが父の読書の場でした。

さすがに陶製の枕は使いませんが夜は花茣蓙で、昼は藺草の座布団を椅子に敷きます。日照と通風を選び抜いて買った家なので、午前中は窓辺で思う存分風を浴びながら新聞や抜刷を読みます。印度土産の素焼の壺に水を入れて、ベランダを冷やします(見た目程度ですが)。老舗の花屋の女将が亡くなってから品揃えが悪くなり、今年は未だ日々草など夏の花が揃いません。連日、花屋の店先を見に行っています。

スーパーには果物がどっさり出て、目移りします。桜桃はアメリカンチェリーも入れれば3種類、プラムも3種類、マンゴーはメキシコ産とフィリピン産の2種類、杏も出ました。メロンは赤肉と黄肉の2種類、ドラゴンフルーツもあります。あれもこれも買いたいのですが、朝食とおやつだけではとうてい食べきれないので、半べそをかきながら仏壇用と朝食用の2品を選びます。