まだあきらめない

リポート笠間63号が届きました。まず第二特集の「古典のひらきかた―まだまだ、あきらめない!」から読みました。石井倫子さんの「古典ガールの底力―古典で遊び、発信すること」、須永哲夫さんの「助動詞擬人化始めました~」、森田貴之さんの「古典で日常に割り込む」は今どきの若者のメディアに乗り込んじゃう、という共通点があって、面白くもあり、また学生とこういう創造の場を共有できる大学教員がざらになった(ざらではないかもしれませんが)ことに、一抹の感慨を抱きました。

石井ゼミの「週刊中世」は、この春に見せて貰って感嘆し、ほんとに「週刊」でウェブ公開しては如何、と強く勧めたのですが、中世文学会事務局を引き受けたのでそれどころではない、と断られてしまいました。尤も、p45に載っている「祇園精舎の鐘の声/マジ騒音/後白河院でさえ苦い顔」は存疑。「祇園精舎の鐘の音はゴーンとは鳴りっこない!」というキャッチコピーの本もあるくらいで、「お見送りの鐘が心地よい/優良ホスピス一覧/1位は祇園精舎、次点は天王寺沖」とでもしたいところ。

副題が「まだまだ、あきらめない」とはちょっと悲しすぎる気もしますが、それほど古典は追い込まれている、ということでしょうか。編集後記には、代替わりと発展的転進の辞が述べられています。今後もどうかよい航海を!