しっかり

当今、政治家がやたらに「しっかり」「しっかりと」を連発するのにうんざりしています。新閣僚の中には、30秒足らずのインタビューに4回も発した人がいました(望んで党務へ移った人が、40秒くらいのコメントに1回も使わず、具体性のある言葉で応対したのには、いささか好感を持ちました)。「しっかりやります」では、重職に就いた際のコメントとしては何も言っていないのに等しい。今後、政治家諸君にはこの語を禁句にして、代わる言葉を自前で調達して欲しいと思います。インタビューアーの方も「どういうふうに、何を、しっかり?」と問い返しては如何。

「~しようではありませんか」というフレーズも、もとは共産党系から始まった言い回しだったと思いますが、野党や市民運動家に言われるのはいいが、政権側から言われると、「どうして、あんたと?」と突っ込みたくなります。

実務の技量と知恵は官僚が磨く。政治家は理念と説明力を向上させて欲しい。そして将来を見通す能力は、両者に必要です。