茶漬

ベーコンのお茶漬というものがあります。未だ働き盛りだった父が料亭の朝帰りに出されて覚えてきたものを、我が家でアレンジしました。ベーコンをかりかりになるまで焼き、油を落とします(今どきのコンビニで売っているベーコンは、薄くて油が少ないのでかりかりになりません。肉屋で買って下さい)。熱々の御飯に載せ、三つ葉のみじん切り、さらに冬なら塩昆布、夏なら山椒の実の佃煮をトッピングして、熱い番茶をたっぷりかけます。スタミナ食の割には意外にあっさりして美味しい。

我が家は博多の出身なので、祝い事には鯛茶漬でした。鯛1匹を魚屋でさばいて貰い、刺身にして、黒胡麻を擂って醤油に混ぜたたれに一晩漬け込みます。熱々の御飯の中に埋め込み、舌を焼くほど熱い番茶をかけて、鯛の身の色が変わるところから食べます。これが世界最高のご馳走だと、子供の頃から思い込んでいました。

最近は居酒屋でも鯛茶漬を出す店が増え、中にはぬるいだし汁で、似ても似つかないものを出す所もあるようです。博多では鯖茶漬もやるそうですが、東京では青魚の鮮度がいまいち怖くて出来ません。