花火大会の日

身体が慣れたせいか、昨日は猛暑の夏も越せそうな気分になって、取り寄せを頼んでおいた本を受け取りに春日町の書店まで出かけました。4時過ぎ、未だ日は高い。ワンコインバスの停留所のあるカフェ(以前は甲冑刀剣の店だった)の女子店員が、目ざとく見つけて冷水を出してくれました。若い2人連れの客が結構出入りしているようです。

白山通りで、和服姿、スマホ歩きの若い男性に出くわしました。浴衣なのでしょうが寝間着にしか見えない。角帯なのに裾を締めていないからで、スキンヘッドの頭を日本手拭で包んでいる。珍妙だなあと思いながら、そうか、今日は隅田川花火大会なんだ、と気がつきました。信玄袋を提げているところから見ると、和風で統一した所存なのでしょう。

書店で文庫本、新書、文芸書の棚を見て回りました。店舗の4分の1はコミック本になってしまい、奥の方では子供が2,3人座り込んで立ち読み(座り読み?)に耽っている。昔なら店主がはたきを持って追い出しに来たものでしたが・・・レジへ行ったら、男子店員の頭髪は虹色でした。性自認についての自己主張かな?とつい思いましたが、ただのファッションのようです。しかし何だか違和感がある。書店って、静かな空間であって欲しい気がするけど、時代遅れか、と苦笑して出ました。

帰りのバスは見慣れない行き先名になっていて、花火大会の交通規制のためのようでした。降りたら、大欅の梢で油蝉が鳴き始めていました。浴衣に兵児帯の女の子がスキップしながら歩いています。どこかで見物できるのでしょう。ビルの谷間の我が家からは、乱舞するヘリコプターしか見えません。新しい本をめくりながら、麦酒片手にTV中継を視ました。伊勢湾や柏崎の中継もよかったけれど、4年ぶり、金銀砂子の大都会の花火大会もまたいい。何より、平和だから花火が揚げられる。この平和をいつまでも。