秋草の園・その3

川越花便りの続々篇です。沢桔梗は湿地を好む丈の高い草本。花は桔梗に似ていませんが、花弁が裂けているように見えるだけで、ミゾカクシの仲間。調べたら、ロベリアと同類だと分かって納得しました。

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夏櫨と沢桔梗

背景の夏櫨の紅葉を褒めたら、鉢でも育てられるよ、と勧められました。しかし幼少の高倉天皇のように寛大になれるかどうか(『平家物語』巻6「紅葉」に有名な逸話がある)、自信がないので辞退しました。

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シモバシラ

[名の由来は、花が霜柱みたいだからではなく、寒くなると、根本の枯れた茎に水滴が凍り付き、まるで霜柱のように見えるからです。今年は消毒をしなかったので、葉が虫に食われてひどい状態です。]と、添え書きがありました。

シソ科です。この時期はすこし葉が枯れたり、虫食いがあるのも風情のうちでしょう。それにしても、もはや都内で育った人にとって「霜柱」は、 辞書の中の言葉かもしれません。小学校の頃、湘南地方でも朝は霜柱を踏んで登校しました。ざくざく崩れる触感が面白くて、わざと踏んだものです。40年前、南町田に通勤した頃も、寒い日には日陰の叢の根元に霜柱が見えました。