学位取得

名古屋市立大学大学院研究員の手嶋大侑さんから、抜刷2篇と共に、学位を取得した旨の手紙が来ました。「平安時代における中央貴族と地方社会に関する研究」という論文で、名古屋市立大学から博士号を授与されたとのことです。

手嶋さんは『明日へ翔ぶ―人文社会学の新視点― 4』(風間書房 2017)に「年官制度の展開―中央と地方の連関ー」という論文を書いており、送られてきた2篇「平安中期における受領と年官」(「歴史学研究」983号)・「平安中期における国検田使と権門」(「名古屋市大「人間文化研究」31号)とも、中央と地方の連関を、年官制度や国検田使を通して再検討したものです。前者は受領の任国統治に中央権門の特権である年官制度が利用され、受領は年官による申任を仲介する際に仲介料を得、また任国の有力者との関係を強力にしていったことを述べています。後者では、国検田使は受領の部下としての側面と、個人的な人間関係によって動く側面とがあり、中央権門が人脈を通じて受領の任国支配に介入していた例を考察しています。

東大の死生学応用倫理センターの一員として忙しく働いている山本栄美子さんからも、「和辻哲郎の仏教哲学における信念構造」という論文で、東大から博士号を授与されたという報告がありました。山本さんは、『明日へ翔ぶ―人文社会学の新視点― 1』(風間書房 2008)に、「学問における「主観性」と「関係性」」という論文を書いています。

御両人とも、おめでとうございます!今後のご活躍を期待しています。