新茶

久しぶりで、窓を搏つ雨音が聞こえるほどの風雨でした。カーテンを開けたら、最後に1輪残しておいた薔薇の紅い花弁が、ベランダ中を舞い狂っています。ロベリアも伸び過ぎたビオラも、ぐっしょり打ちひしがれてしまいました。

名古屋の友人から、静岡の新茶が届きました。日本人は、移ってゆく季節をいち早く我が物にするのが好き。いつも朝はパン食なのですが、今朝はお茶漬にしました。コンビニの鮭おにぎりを崩し、茗荷の柴漬をたっぷり載せて、山椒の若葉(児童館の庭から失敬してきた)を2枚置き、お茶を注ぎました。昼食代わりのおやつも、今日は珈琲でなく日本茶。お茶請けは山査子のドライフルーツです。今や5月は私のもの!

家中に、しけった紙の匂いがします(我が家は、どの部屋も紙を詰め込んだ箱のような状態なので)。荒れる窓外を眺めながら、雨が上がったら、実生のとちおとめを平鉢に植え替えよう、と思いました。今年は花をつけず、ランナーばかりをあちこちへ伸ばしているのです。

しかし天気予報は半日ずれ、雨が上がったのは夕方になってからでした。芸能史のシンポジウムの緒言を書くことになっていて、メール添付で届いた原稿を3本(どれもぎっしり重い)読んでいるうちに、そのまま日が暮れました。