このところ、親の家を整理しているので、異なる業種の人たち、チームや組織の仕事ぶりをウオッチングする機会が多い。経験則ですが、顧客に要求することの多い組織は必ずと言っていいほどミスをする。有名な企業であっても個人がいい加減な対応をするところは、遠くないうちに必ず不祥事がある(かつてのリクルート然り、日経新聞然り、でした。但し、老舗では窓口がひどくても現場はきちんと仕事していることが多い。これが老舗の底力というか、余韻でしょう)。大事な仕事を頼む時は、この経験則を参照してやるしかありません。
ある大手の宅配・運送業はこのところ、仕事が多すぎてたいへん、という評判に甘えたと思います。美術品専門の運送を頼んだ際、電話受付と見積もりに来た営業マンの態度に呆れましたが、実際に来た作業員たちの手際はみごとでした。同じ会社の宅配受付の態度が論外だった時は、形見分けで送った壁掛けを真っ二つに折られてしまい、しかもお詫びが来るまでに信じがたいほど手間がかかりました。「魔女の宅急便」時代の信頼がはたして戻るかどうか、正念場に来ていることを経営陣は解っているでしょうか。
今回頼んだ大手の不動産屋は初めて依頼した会社ですが、2人態勢で1案件を受け持ち、2人の組み合わせが絶妙でした。相互監視と共に若手育成の態勢を取っているのだと思います。50代で笑窪のできるリーダーと、真面目一筋(に見える)20代の組み合わせ。顧客の話をよく聴いており、調べ物が十分に出来ていて、仕事に無駄がない。そして、若い内に補佐役を経験させることは、一流の男を育てるのにぜったい必要なカリキュラムです。組織がよく機能している会社であることが判ります。