イブの前夜

日本海側は九州から北海道まで大雪。申し訳ないが雷と雪は映像で視ていると美しく、季節感を満喫できますが、現地では大変。40代、鳥取で吹雪の中を通勤したことが、我ながら信じられない気持ちです。しかし列島の空は繋がっているので、東京も寒い。去年は何枚着てたんだっけ、と考えるくらい、今年は暖房を入れた室内でも寒く感じます。年越しの準備も億劫になり、大掃除は来年の初夏にでも、と決めました。

年賀状も出したし餅も買ったし、屠蘇散も手に入れたし、後は注連縄を買うだけ、と落第横丁の美容院へ散髪に行き、親父と、界隈で行われている大工事のあれこれを噂しました。代替わりの近い魚屋が御殿のようなビルを建て、個人所有の土地に埋め込まれていた区の防火用水槽が交換され、元和田珈琲店主の要塞のような隠居所の門前では鉢植えのオリーブが実っている。菊富士ホテルの跡地には、巨大な学生用マンションが建設中なのですが、工事は遅れているらしい。地盤が悪かったのかね、と言ったら、この辺は昔はよく陥没した、マンション建設の際、加賀藩屋敷から喜福寿寺境内の井戸に抜ける地下通路が見つかって、さんざん杭打ちをしたので陥没が止まった、と親父が言う(この美容院は本多様の庭の池だったというのが自慢)。1.5m位掘り下げて見つかったそうで、江戸時代の抜け穴かどうかはあやしい(防空壕だったかも?)と思いながら聞きました。

画材店のタンギーで、絵葉書を買いました(印刷屋で年賀葉書をピンハネされたらしく、枚数が足りない)。竹久夢二の復元版画や中原淳一小林かいちの展示会をやっていました。帰宅後調べたら、小林嘉一は京都のさくら井屋のデザイナーだったのですね。懐かしい。スーパーには、鶏の脚の丸焼きが山積みになっていました。クリスマス・イブの前夜だと気づき、鳥取では何故かイブは大雪になったなあと思い出しました。