羨望の伊太利亜紀行(1)

松薗斉さんが南イタリアへ旅行するというので、いい写真が撮れたら送って下さい、と頼んでおきました。松薗さんは美声で学生時代は合唱部、その後もバチカンで聖歌を歌ったこともあるのだそうで、イタリア語を習い、毎年のようにイタリアを旅行していたが、コロナで5年ぶりの訪問とのこと。地方都市へのディープな旅らしい。

PDF3本にまとめた伊太利亜紀行が届きました。風景と食事の写真を見るだけでも羨望の9日間。一部、許可を得て転載します。詳細は彼のFacebookでどうぞ。

洞窟都市マテーラ

8月22日にヘルシンキ経由でバーリ空港着。翌日は午前中、洞窟都市マテーラへ。

【すり鉢状の谷に石造りの家屋が張り付いてできた町で、以前は貧民窟だったようですが、一旦廃墟になった後、観光地化したようです。教会も洞窟の中にあり、入ってみると奥の方は大変涼しく、過ごしやすくなっています。】

バーリ近郊ビトンドの大聖堂にて

【今回は、南イタリアの中世都市の面影を残す小さな町を訪ねることが目的ですので、バーリでまず選んだのが、ロマネスク建築の美しいカテドラルです。

駅を降りて通りをまっすぐ歩いていくと、だんだん街並みが古くなり、中世の面影を残す旧市街に、重厚ではあるが、優雅で明るい感じの大聖堂がたたずんでいました。マテーラは驚きを持って見ましたが、私自身はどちらかというと、こちらの方がイタリアにやって来たなあ、という思いに心が和みます。】

24日は国鉄で海沿いのトラーニ、バルレッタという街へ。

トラーニの大聖堂

【5ユーロ払うと鐘楼の上まで登れるというので、木の階段を恐々、かつふうふう言いながら、何とか一番上まで辿り着きました。海が遥か遠くまで一望され、昔は物見の塔として、アドリア海の海賊や異国の軍船が近づくのを見張るための施設だったのでしょう。大聖堂の隣に堅固な城があることも同様の理由なのだと思われます。】

バルレッタの大聖堂

【堅牢な城の内部は、現在、博物館と図書館になっており、城壁の一番上からは、やはりアドリア海のはるか遠方まで見渡すことが可能でした。この辺りの都市は、陸地側より、海からの外敵に備えなければならなかったことがわかります。(松薗斉)】 つづく