豊後便り・国東鬼会篇

大分の友人からの初詣第2弾。伝統の継承について思うところがあったようです。

【昨日、NHKの「新日本紀行」(?)を録画で見ました。半世紀前のVTRに2019年の映像を追加したものですが、国東の「鬼会」を取り上げていました。成仏寺という寺で旧正月7日に行われる「修正鬼会」(鬼が松明を振り回しながら近隣を回る行事)で、半世紀前には、まだ谷筋の道は舗装道路ではありません。その季節には畦道を琵琶法師が歩いて集落を回り、面白可笑しく勇壮な軍談を語って聞かせるというものでした。

半世紀後に再び訪れてみると、鬼の成り手がなく廃絶の危機にあったが、周辺の寺々が協力して坊さんが鬼役をやり、大松明も5本に減らして続けているということでした。ネットで調べたら、天念寺と岩戸寺と成仏寺の3寺で今も行われ、天念寺では毎年、岩戸寺と成仏寺とは隔年交代とあります。もう琵琶法師などおらず、大松明も3本に減っていました。天念寺は近隣の長安寺の住職が兼務し、鬼役もその住職が務めるということです。規模はどんどん縮小されていますが、人々が何とか伝統行事を絶やさずに残したいと頑張っている様子が、よく分かりました。】

国東修験の道

【天念寺は国東の修験道、峰入り修行のハイライトに当たる無明橋の下にある寺です。豊後高田市が設置した小さな資料館があって、峰修行で無明橋の上に立って周囲を眺めるバーチャル体験ができ、面白かった。寺の背後は天念寺耶馬と呼ばれる鋸状の岩峰群が聳え、遥か山の上に「無明橋」を見上げることが出来ました。寺はその岩の洞窟に潜り込むような形で建てられています。】

川中不動

【寺の前を流れる長岩屋川には「川中不動」と呼ばれる摩崖仏があり、鬼会当日は僧が読経をし、鬼役などの人々が禊をするのだそうです。】

岩戸寺の国東塔(重文)

国東には比較的遅くまで、琵琶法師の語りが残っていました。鬼会は、今年は1月28日に行われ、インターネットのライブ配信もするそうです。