阿波国便り・灌頂ケ滝篇

徳島の原水さんから、「コロナ以降初めて遠出(といっても40kmほどですが)し、勝浦郡にある潅頂ケ滝に出かけてみました」と、写メールが来ました。

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勝浦の紅葉

上勝町の立てた説明板によると、弘法大師が水行をしたという伝説があるそうで、高さ70m、別名「旭の滝」とも言うそうです。午前中晴天ならば虹が架かり、地元では「不動の来迎」と呼ぶとあります。尤も、臨終にお不動様に迎えに来られたら、縮み上がってしまう人もいるかもしれません。

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灌頂ケ滝

 

渇水期でわずかな水量しかありませんでした。伝覚鑁作の不動明王像があるそうですが、見落としました。この奥に慈眼寺という寺があり、穴禅定という洞穴信仰の地があります。テレビで見る機会がありましたが、狭小な洞穴を先達に導かれて進まねばならず、大変な場所のようです。(原水民樹)】

なるほど水量の多い時なら絶景でしょうね。滝行をするとしたら、ずっと下の方に滝壺があるのでしょうか。

川越の友人と、今まで見た中で一番美しかった紅葉はどこか、という話をしました。彼は栗駒山だそうです(源為義の伝説がある)。私はミイラ仏で有名な岐阜の横蔵寺と、日光でした。日光では、宿に着いた時は霧で何も見えず、翌朝窓を開けたら、燃えるような紅葉に包まれていたのです。落葉松林を歩けば、黄金の針のような落葉が音もなく燦めきながら降ってきました。竜頭の滝に沿って、今は亡き友人と歩いたのは、もう半世紀以上前のことです。滝に沿って歩く、という経験は初めてでした。

東京では、今年は水木の紅葉が綺麗でした。そろそろ公孫樹の黄葉が始まりましたが、本郷通りは日照の具合か、樹によって遅速が1ヶ月近く違います。