発言撤回

最近、何か咎められると「発言を撤回し」(ときには金を返し)、「ご心配ご迷惑をおかけしたことをお詫びし」、それで済んだとする事例が多いのですが、納得がいきません。昔話にも「口を出た言葉には追いつけない」という教訓があったでしょう。返せば泥棒ではない、というなら警察の仕事の大半は要らなくなります。

帰れぬ故郷へいっときの上陸を果たし、墓参りもし、ロシアとの交歓をも済ませた人々に向かって、愚かな、失礼な発言をした代議士某。こういうのを平和ぼけと言うのでしょうか。彼のツイッターは支離滅裂です。昨日のお詫びは今日の居直り(こんな諺はありません。念のため)。言論の自由はこの問題とは関係ない。公務員として職務規程違反じゃないの?(公務員は就任時に、憲法を遵守する旨の誓約書を書きます)。日本国憲法の99条には公務員の憲法遵守義務が明記され、そして現行憲法では、紛争解決の手段としての戦争は放棄されています。

どれだけの人たちが、どんなに難しい立場で、今日までやっと、日ロ交流のルートをつないできたか、それはいま蜘蛛の糸のようなもので、無神経な僅かな言動で切れるほどのものです。そうなったのは戦争があったから。歴史を勉強しなさい!―あまりにも情けなくて、本日はこれまで。