冬に入る

一気に寒くなり、冬物の用意が追いつきません。慌てて従姉から貰ったマフラーを出して首に巻き、朝刊を広げたら、書籍広告に「いつか街を歩けなくなる日が来た時、もう充分働いたと思える人生」というキャッチコピーがあって、胸に刺さりました。

午のニュースを視ようとTVのスイッチを入れたら、高専ロボコン関東甲信越大会の最後の数分のシーンが目に入りました。このブログに先日載せた、福井高専のロボットのデザインの意味が、ようやく判りました。発射台から打ち出された子機が、ボールを拾って親機に入れる、という課題を果たさなければいけないので、雉と手長猿が飛んでボールを拾い、レッサーパンダの胸に投げ込む、という設計だったのです。優勝したのは栃木の小山高専、運転していたのは女子学生でした。

午後から、若書きの論文の素読みを続けました。全く専門が異なるものばかり、と思っていたのですが、荒木田麗女の論文を読んでいたら、伊勢の国学者たちが、気になる本を貸し借りしたり、書写したりする交遊関係が出てきて、最近、長門本平家物語の伝本調査で出遭った固有名詞がぽんぽん・・・続いて中世の太宰府天満宮への参詣についての論文を読んだら、中世末期の大内氏の文化保護の話題が出てきて、長門本大内氏の関与とについて考えてみる必要を思いました。

最後に、室町後期の源氏物語書写に関する論文を読んでいったら、まさしく近年の平家物語研究の問題点と重なる問題意識と試行が、そこにもありました。学問が身近になる、とはこういうものかーとしばし感慨に耽ったのですが、要は私が今まで怠惰だっただけで、もっと勉強すれば、毎日新たな発見が向こうからやって来るようになるのかも。

これらの論考を収めた論集は、来春3月19日に公刊されます。