正午と夜7時のNHKニュースは欠かさず視るようにしているのですが、直前番組に秋の人事異動で配属された女性アナウンサーの、コロコロコロっと喋りまくる高音の声に苛立っています。燥ぎ過ぎ、上ずり過ぎ、早すぎて口が回りきらず、よく聞き取れないし、大したことも喋っていないのに時間一杯喋っていないと気が済まないらしい。
高校時代、放送部でアナウンスメントの指導を受けましたが、女の声は低いほど聞き取りやすいと言われ、メゾソプラノの私はアルトの人が羨ましかったものです。NHKはアナウンスメントでは先導的立場にあるはずなのに、最近は新人訓練をしていないのでしょうか。朝日新聞朝刊の「論の芽」というコラムに、音響心理学・認知心理学の専門家山崎広子さんという人の談話が載っていました(10月23日)。
それによると、日本人女性は体格に相応した声よりも1オクターブ近く高い声で話しているのだそうです。男性社会が女性にそう求め、女性もそれに応えているからだという。声が高いのは、身体が小さく、未熟で可愛い、保護対象だという印象を与える。日本の女性は無意識裡にそう思われたい、そう見せねば、と刷り込まれてきたのだと。ジェンダーギャップが低い国では女性の声が低い傾向があり、日本でもキャリアウーマンがもてはやされた時期には、女性の声が低くなった、とのこと。
吃驚しました。そんなに明確に、社会現象として顕れるものなのか。50代で学内の管理職に就いた時、トシのせいだけでなく、我ながら声がぐんと低くなりました。その方が説得性が増し、一種の貫禄が出るからでしょう。意識していたわけではないのに。
今日は大雨で新幹線が止まり、博多駅から中継が入りました。女性アナが開口一番、JR博多駅です、と言った途端、懐かしかった!生粋の博多っ子は、Jがぜ音になるのです。