昨夜、Nスペの「正義はどこに」というドキュメントを視ました。視ながら次第に自分の顔がゆがんでいくのが、自分でも分かりました。酷すぎる。戦場とはこんなものだ、では片付けられない人間性への陵辱、狂気に近づく復讐心。
4万の死者数をどう思うかとの問いに、その中にハマスがいる、とまくし立てる顔。あの表情には見覚えがある気がしました。怖いのは、一旦非常時となれば、隣人も自分もああなるかもしれないということです。いや現に80年前の日本は、向こう3軒両隣、ああだったのです。
イスラエルは、一体何処まで行けば戦闘を止めるのでしょうか。ハマスを完全に撃滅した時点だと言うならば、それはパレスチナを消滅させるまで、と言うのに等しい。発端はハマスの卑怯なテロだったとしても、すでに報復の域を遙かに超えている。正当防衛の域も超えている。トラウマを抱えたイスラエルは、2言目にはホロコーストを引き合いに出すけれど、今かの政府がやっていることは殆ど大量虐殺ではないか。後世、ユダヤ人はそういうことをする民族だと言われても構わない、というのか。
私たちは日々、無惨な攻撃跡の映像を見せられ、戦争遺族や避難民の映像を見せつけられ、己れの無力さに歯がみをしています。こういうストレスは、たとえ遠く離れた地にあっても、決して跡形なく消えるものではない。世界中に日々、憎しみと怒りとを増産し続けていることの結果を、ネタニヤフよ、分かっているか。
今朝の朝日朝刊には、国連統計やガザの政府統計をもとにした数字が載っていましたーこの1年の死者、ガザ約4万2千、イスラエル1200。ガザでは人口の96%が飢えに瀕し、教育を受けられずにいる生徒は62万5千人、農耕地の被害68%、漁船の破壊70%、閉鎖した工場95%。それでも民は生きていけるのか。虐殺同然でしょう。