茶漬の夜

歯医者から虫歯の治療に来るよう言われていた予約の日。重い足を引きずってコインバスに乗りました。車内広告が替わって、ドスコイ体型の女性タレントが演じる「一葉さん」やA女子大生が案内する文京区巡りではなく、どこかの保育園のCMになっています。犬やバスの塗絵ですが、同じ塗絵でも、子供によって異なる個性が出て、飽きずに見ていられます。子供の名前が入っているのも可愛い。

例によって本屋に寄りました。近所でここ1軒しかない本屋ですが、店内にコピー屋を入れたので、売り場が狭くなって見にくい。おまけにコピー屋の店員が、ギャンギャン咳をし続けている。家主はコロナへの警戒を注意すべきではないか。もう来年の暦が出ていたので、そそくさと暦1本と新書1冊を買って出ました。

歯科衛生士が未だ虫歯が5本あると言う。慌てて、3本の治療が必要で、この前1本済んだはず、そんなに次から次へ治療する話は聞いてない、と口答えしました。ここの院長は区の地域包括ケア推進委員会で出遭って、フェアな人だと見染めて通うことにしたのですが、ともすれば歯科衛生士が治療方針を決めたがるので油断が出来ません。麻酔を打ち、院長が来て、難しい場所だなとぼやきながら削ったり埋めたり、口中は大土木工事。早く脱出したくて、痛み止めを貰うのを忘れて帰りました。

帰宅後、PCを開けたら、松薗斉さんから伊太利紀行のPDFが届いていました。ジェノヴァパヴィアベルガモ1週間の旅の写真集です。夢のように美しい建物、街、美食、そして音楽、香り高い白ワインやどっしりした焼き菓子。我が家は今夜は休肝日、未だ口内の麻酔が醒めないので、茶漬です。まあこのくらい差が開くと我慢のしようもあるな、とやせ我慢して、新首相の記者会見を視ながら掻き込みました。