稲は大丈夫か

梅雨入り前から始まった猛暑は一向に衰えません。毎晩TVの週間予報を見て、明日1日我慢すれば少し楽になる、と思って寝るのですが、翌朝の朝刊には無情にも明後日も猛暑日、との予報が出る。唯一の希望は少しずつ日が短くなってきたことですが、その代わり日差しが次第に室内に近づいて来て、冬には嬉しかった日照が今は苦痛の種です。

京都はもっと暑いらしい。伏見の錦織さんからは、【京都新聞に、「都道府県庁所在地最近10年の年間平均」で「猛暑日数、京都市が最多」という記事が載っていました。1位の京都は年間平均24.7日、鳥取は10位で16.6日ということでした。あの熊谷でさえ22.9日だそうです。】メールの文字が小さくて小数点が見えず、当初365分の247日と読んでしまいました。そんな勘違いが一瞬でも成り立つほど、今夏は暑い。

今年の梅雨は短かったので、東京の水が心配になりました。かつてはバスで街を走ると、「東京には水が無い」という水道局の巨大な看板が目につき、ぎょっとしたものです。小河内ダムのひび割れた底の写真が毎年、新聞に出ました。昭和63年の夏、すでに終末の床にあった昭和天皇から、侍従に「稲はどうか」と御下問があったという報道を目にして、ああ今もなお、稲作文化の帝王なのだ、と民俗学の知識を一気に跳び越えるような感慨を持ったことを思い出します。

錦織さんは食に拘りのある人で、いつもは玄米を買って七分搗きにして食べているのだそうですが、今年はどこも品切れだとのこと。稲が不作の上、海外からの観光客が増加して外食の米飯が売れ、米不足なのだそうです。米不足は久々のこと。この前の時は、かの流行女流作家が新婚早々でルンルン、主人には美味しい御飯を食べさせたいと思ってお米を探しています、と語り、厭な女だな、と思いました(2人で食べる米だろう)。