やればできるらしいが

渋谷のハロウィンも事故なく済んだようだし、汗ばむほどの晴天、大学図書館へ出かけました。先週よりも少し早く出たので、未だ体幹が整っていない。用心しいしい地下鉄とバスを乗り継ぎました。通勤時代、いかに沢山のことを身体で覚えていたか、無意識の裡に最も安全で効率的な選択を積み重ねていたのかを、改めて認識しました。今は体力に合わせて、一々考えながら行動しなければなりません。

まず図書館3階に上がって、必要な本を探しましたが、入館者が少ない割には書架にない本が多い。とりあえず見つけた1冊を、窓辺の席でめくりました。コロナのためキャレルが使用禁止になっていて、窓に向けて椅子が置いてあるのですが、屋上緑化の生垣が目前にあり、雑音が全く聞こえず、至福の時間でした(ここにいる目的が、急ぎの注釈作業だということを忘れてしまえば、の話ですが)。

参考図書室に通って、注釈のための調べ物を片付ける所存だったのですが、どうやら心得違いらしい、と気づきました。今や調べ物はジャパンナレッジで済ますもののようで、新しい辞書・事典類が書架にはないのです。私の場合、個人契約しなければならず、しかも多分野に亘る資料が必要になるー困惑しました。

午後からは文学部資料室で閲覧しました。その後、中文、国語教育、日本語学の教員たちと、オンライン授業のことなど近況報告を交換し合いました。中世語彙の資料について、本文さえデータ化できれば、検索機能を付与してウェブ上で索引を作ることは可能だ、自動で品詞分解するサイトもある、ということも教えられました。詳しいですね、と言ったら、いきなりオンライン授業になった時は1日15時間もPCの前に座って、あれこれやってみたのだそうです。やればできるものらしい。後は意志と寿命の問題か。