ウェブ論壇つまみ読み

今週、新聞の「論壇時評」に挙がっていた27篇の中から、唐鎌大輔「結局『値上げ許容度高まっている』黒田発言は何が『地雷を踏んだのか』」(ビジネスインサイドジャパン6/13)、柳澤協二ほか「ウクライナ侵攻から学ぶ 力の抑止を超え、戦争回避の外交を」(新外交イニシアティブ6/14)の2本をウェブ上で読んでみました。前者については経済誌週刊エコノミスト」6/21号も読みたかったのですが、バックナンバーを入手するのは難しいので、諦めました。

ウェブ上の論壇ってどんなものなんだ、という興味もありました。紙ベースとは違った文体があるようですが、概ね分かりやすく、しかしやや薄味で書かれているようでした。SNS仲間や会員からの相互討論を前提にしているのでしょうか。

黒田バズーカに関して私がどうしても呑み込めなかったのは、物価を上げれば景気がよくなり、成長経済がうまく循環する、という論法だったのですが、経済学者たちの間でも疑問が呈されていたことを知って(ちょっとほっとし)、失われたこの10年を次期の中央銀行総裁や財務相はどうするんだろう、と思いました。素人(納税者)の眼にも判る経済政策をお願いしたい、ばらまき以前に。

新外交イニシアティブというのはシンクタンクなんだそうですが、沖縄からの眼も入っているようです。大国の体力が消耗するのを待ちつつ供与される軍事協力は、小国には被害の限度が保証されない。反撃能力を論じるなら、まず国民への被害予想と避難の可能性を考えてからにしろ、との主張には同感です。もどかしいのは、外交に関しては政府以外には不明な要素が多くて、具体的な提言が外野からは殆どできないこと。元外交官の体験談・懐旧談などを参考に、また歴史上の事例を参考に考えるしかないのか。