都々逸

2週間ぶりにエノキさんがやって来ました。先週は私がオンライン会議だったので、休んで貰ったのです。梅雨空が重く、家の中は昼間でも灯りをつけないと真っ暗。雷雨が来そうな気配です。エノキさんは先週、仕事帰りに雷雨に遭い、激しい降りで1歩も進めないことがあったそうです。

この頃は街中でも雨宿りできないよね、新しい家は真四角で軒先がない、と言ったら、そうなんですよ!と共感。ずぶ濡れで帰宅して、昔は雨宿りというものがあって、都々逸にもあったっけ、と思いました、と言う。えっ、都々逸?・・・堅気の40代のエノキさんの口から、すらりと都々逸という言葉が出たので、思わず訊き返しました。そうです、たしか、雨宿りして出会った人と何とやらという都々逸があったけど、思い出せないので友達に訊いたら(エノキさんは交友関係が広い)、記憶よりずっと色っぽい内容だったので慌てました、とのこと。

私からすると、都々逸はもともと、色っぽい酒席で芸人か政治家が唸るもの、堅気の家庭では単なる知識以上の関係はないと思っていたので、吃驚。それでどんな都々逸?と尋ねたのですが、もう忘れたけどNHKでは流せないレベルです、とのことでした。

ネットで調べたら、最近は都々逸を作ってみよう、歌ってみよう、という話題が幾つも見つかり、若い人たちの間には上述のような「偏見」はないらしいことが分かりました(もともと幕末の名古屋から始まった芸能だそうで、そう言えばエノキさんは三河の出身だった)。近代の教養とは別の文化で育ったオジサンが、芸者に三味線を弾かせて歌ってみせるものという、私の持っていたイメージは今や全くの誤解でしかないようです。

それにしても、雨宿りして色っぽい縁が生まれるという、有名な都々逸の歌詞とは?