花屋をさがす

ここへ引っ越して18年、老舗の花屋が代替わりし、いくつもの花屋が出来ては潰れました。ここ数年行きつけだった花屋も、コロナで経営が難しいところへ店舗の賃料が高すぎる、というので出店を止め、電話注文だけの商売をすると言って撤退しました。配達は¥6000以上から、と言うので、それなら花キューピッドを使う方が手っ取り早い。定年後は毎週新しい花を買って、と思い描いていた夢は崩れました。

お祝い事のサプライズなどに、個性の出せる注文を聞いてくれる店を持っていると便利なのですが、今やそれはとんでもない贅沢になったようです。老舗の花屋は法人相手の商売中心になり、個人で届け物を注文すると、売れ残りの商品を集めて花束を作る。大通りの花屋は、買った花をブランドの紙袋に入れてくれるのはいいが、女将がいやに権高くて、こちらが命令されるようで買いにくい。

弟の命日の花をどこで買おうか、迷いました。大塚駅前商店街にあるバラック建ての店は、花は安いのですが根元を包むだけで別料金が必要。駅ビルに日比谷花壇が店を出しているので入ってみると、あちこちにサブスクの札が挿してある。何のことかと訊いてみたら、あらかじめ定額を払えば、毎週その金額内で指定された花が買えるのだそう。忙しい勤めの日々に1,2輪の花を飾るには便利なのか、花屋や本屋は自分の目で見ながら選ぶのが楽しみの核心だと思うのですが・・・よそより値は高いが、5日以内に萎れたら、写真を撮って持参すれば新しい花と交換できるシステムにもなっていると言う。若向きに、新しく工夫した商売方法なのでしょうが、どうもなじめません。

けっきょく、権高い女将に指図されながら大通りの店で小さな花束を求めました。豪華な大輪でなく、庭作りが好きだった弟らしく、やさしい花をあれこれ混ぜて作りました。