信濃便り・自家製珈琲篇

長野の友人から、足取りの速い北国の春の写メールが来ました。

信濃の春

梢が色づいている林は、山桜だそうです。いかにもふるさとの春ですね。

長野はこのところコロナの感染者数が増えているようで、ニュースを視ながら心配していました。善光寺御開帳や諏訪の御柱伐り出しなど行事が続いたせいでしょうか。安定運行の新幹線とリモートワーク普及のおかげで、首都圏からの転入も増えたそうです。

室内栽培の珈琲

こちらは塩尻の室内で育てているコーヒーの木。実がそろそろ色づいてきた、とのこと。観賞用にもなりますね。友人は3度米国留学していて、日に数回の珈琲がないと暮らせない習慣。珈琲の味にはうるさく、胃の手術をした後に小川軒のノンカフェインコーヒーを送ったら、すげなく断られました。弟さん夫妻が丹精籠めて育てた豆から、どんな珈琲を淹れられるか楽しみです。

我が家は素馨花が咲き始めました。濃紅の蕾の房が次第に淡桃色になり、ある朝香りで開花を知る、というのが例年です。染み渡るような甘い芳香が窓から流れ込み、窓際で珈琲を片手に新聞を読む間、家じゅうに香りが満ちる―これから1週間ほど、そんな至福の時間を味わえます。秋の木犀の時季、春の素馨花の時季、年に2回の快楽です。

山城便りにもこんなことが書いてありました―片づいていない仕事を思うと焦りますが、こういう、何でもない日常が大切で、その日常を続けられることの意味を、戦禍の報道から学ぶこの頃です、と。