コロナな日々 26th stage

本屋から、取り寄せの本が来たと電話があったので、引き取りに出かけました。街は、八重桜から躑躅の季節、そして新緑へと移りつつあります。

最近膝が弱くなって、一昨日は播磨坂の交差点で転びました。道幅の広い交差点なので小走りしたのがいけなかった。後ろで乳母車を押して歩いていた若夫婦が起こしてくれ、夫の方が、渡りますか、と訊き、一緒に渡りましょう、と脇を抱えてくれました。信号が変わりそうでつい急ぐ私に、急がなくていいですよ、と言ってくれて、どうやら介護のプロのようでした。渡りきったところで礼を言って別れましたが(後で、妻の方にも礼を言うべきだったと反省)、ああいう人が街中にもっと多ければ安心なのに、とひそかに思いました。福祉を勉強した人は、ただ並んで道を歩くのさえも上手です。自分が丈夫だった頃は、横断歩道で見かけたら、老人や障害者の速度に合わせて歩くことにしていましたが(足弱は人の流れに遅れると不安になるからです)、さりげないサポートが当たり前にある街に、住みたい。

本屋で最近の出版、流通事情を偵察。地政学の本は未だ本格的なブームではないようで、漫画入りの百科事典みたいなものが殆どでした。本屋大賞の小説が平積みされていましたが、いかにも漫画時代の本の造りで、手が出ません。肝心の用件の方は、2点注文しておいた本が1点しか来ておらず、売り切れと言われた『物語ウクライナの歴史』が1冊だけあるのを発見、『ドライブ・マイ・カー』所収の文庫本と共に買いました。

薄着の心算でしたが、帰ってきたら汗をかいていました。冷凍庫から出したアイスクリームがつくづく美味しい。もう1冊買った『80歳の壁』という新書をぱらぱら読み飛ばしながら、健診基準値の数字にこだわるかかりつけ医を説得することを考えました。