大和便り・かき氷篇

天気予報が中りません。明日までは暑いが、と言う予報に、もう1日頑張れば、もう1日、と引きずられて暮らしています。奈良の高木浩明さんから写メールが来ました。

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黄粉黒蜜こおり

【自宅近くの閑静な住宅地の中で、あんこ屋の主人が営む甘味屋のかき氷です。

奈良は、東大寺の近くにある氷室神社が氷の神様だけに、近年はかき氷の聖地として町おこしをしています。毎年5月には全国のかき氷屋が集まって、かき氷サミットが開催されます。(高木浩明)】

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甘味処みやけの宇治金時

我が家は子供だけで外での飲食は厳禁でしたから、高校の時、仲のいい東京育ちの同級生から、甘味処に誘われた時は大冒険でした。でも一度経験すれば敷居は下がります。梅雨が明ければ「氷」と独特の書体で書いた幟が街のあちこちに翻っていた時代が、懐かしく思い出されます。

グラスも独特の形をしていました。今は時々骨董市で見かけます。我が家にも一時は家庭用の小さなかき氷器がありました。冷蔵庫で作った氷を上から入れて、手回しハンドルを回す、鉛筆削り器のようなものです。

当時はイチゴ、レモンの2色くらいしかなく、次第に氷がふわっと削られるようになり、シロップも透明(蜜と言った)、緑(メロン)、スキムミルク(白熊)など選択肢が増え、アイスクリームや蜜豆と合体したりしました(私はずっと、蜜かイチゴこそが本道だと思っています)。そのうち、ふわっと削った氷が大盛りになってきて、最後まで崩れずに食べられるかを競うようになりました。ある時、いつもと違うメンバーで氷屋に入ったら、1人が掌でぎゅっと固めてから食べ始めたので、度肝を抜かれました。

高木さんには、書誌調査の先々で、かき氷の写真を送ってくれるよう頼みました。