阿波国便り・ゆすら篇

徳島の原水さんから、季節の写真を添えたメールが来ました。徳島はCOVID19の流行当初は感染者数が少なかったのに、ここのところ急激に増え、ワクチン接種の準備もてんやわんやだったらしい。しかし都会と違って、愛犬を連れて新緑と花々の中を散歩する特権が、未だ保持されているようです。

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ユスラウメ

茱萸は甘かったけれど、ゆすらはすごく酸っぱかったとの子供時代の記憶があります。今ならどうかなと思いますが、他家の木なので撮影だけにしました。(原水民樹)】

真っ赤なガラス玉のような漿果は、思わず手を出して食べたくなりますが、そう、ユスラはとても酸っぱいのです。花は小さくて花弁が薄く、はかなげで可愛いいので、よく庭の隅などに植え込まれます。子供の頃、祖母にこの木の名を教わったとき、外国語のような、不思議な響きだと思いました。語源は何なのでしょうか。

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サルトリイバラ

これは秋に真っ赤に色づく実です。クリスマスリースなどにも使われます。漿果ではないのですが、調べると、若葉も実も食用になるとされています。根は漢方薬として使われたらしい。中部地方には、この葉で包んだ餅菓子があります。葉の香りが移って、柏餅や桜餅とはまた別の風味があって美味しい。名前は、猿がこの蔓に足を絡まれて捕獲される、という意味だそうです。

原水さんは最近、川柳に凝っているとのことで、コロナの世相を詠んでは投稿するが、なかなか入選せず、保守の風土だからストレートな風刺は歓迎されないんだと友人から言われたそうです。ピンポイントで世相を衝いた川柳は痛快ですが、作るとなると難しいのでしょうね。