深夜の地震

父が東京へ遊学する時(90年くらい前のことです)、祖父から言い渡されたことは、東京で恐いものは地震とお巡りさんだから気をつけるように、という注意だったと聞いて、子供の頃は笑い話だと思っていました。しかし長じてからは、その意味が判るような気がしました。博多は地震のない土地、一生知らずに過ごす人も稀ではありません。そして当時の首都は、権力が睨みを利かせていた街、関東大震災から7年後でした。

2005年3月の福岡県西方沖地震の際、従姉は孫2人を乗せて車を運転していたそうですが、ふと窓外を見たら石垣が動いているので、あらー、今日は風の強かとね、石垣の揺れよる、と言ったそうです。さすがに若い2人がケータイでニュースを見て、地震よ、と教え、地震ね、と改めて吃驚したとのこと。

昨夜、寝る前にメールの返信を書いていたら、ゆっくり、ぐらぐらと来ました。これは遠いけど大きい、と思いましたが、揺れは長く続き、傍らの書架がぎっしぎっしと動くのを手で押さえながら、震源は静岡かもしれない、と不安になりました。幸い、こけしが倒れ、本2冊が落ちただけで済みましたが、非常持ち出しを考え(今はマスクが必須です)、懐中電灯を点検しました(電池が錆びて使い物にならなくなっていた)。ツイッターは開けられず、TVニュースを視て東北大地震の余震らしいことを理解しました。

熊本大地震を経験した友人によれば、震度5と6とでは家の軋み方が違う、6になるとやはり恐い、とのことです。東北の人たちはさぞ恐かったことでしょう。停電や断水が起きたようです。翌朝、ツイッターを覗いたら、地震を飼主の悪戯だと思って半身隠れて近づいて来ない猫と、抱き上げて揺すってやったら何だ、飼主の仕業か、と安心して寝てしまった猫と、真逆の挿話が投稿されていました。脱走した犬猫も多いらしい。