森を掃く箒

もう半世紀も前ですが、連日、民間人や国会議員も入る会議の世話に明け暮れていた父が私に、始まる前に今日の会議はオバチャンがいるか?と訊いておくんだ、と言ったことがありました(明治生まれの、「男を立てる」風土の福岡出身です)。女性の入る会議は屡々進行が厄介な場合がある、という意味でしょう。勿論、その場で反論しましたー私の経験で言えば、男女が交じって議論すると先に感情的になるのは男の方だよ、と。父はそうお、と言って引き下がりました。

現役時代、会議で発言すると抱きついてくる(尻馬に乗る)人に、どれだけ手を焼いてきたことか。私が質問してもいないのに、諄々と説き聞かせて話を潰す男、共感したかのように言葉尻を引き取って、あらぬ方へ話を逸らしてしまう人、単なる連想関係で別の話題を持ち出す人、同内容を不正確な言葉で繰り返す人・・・大抵、男性でした。

2月4日、謝罪してない謝罪会見がメディアに流れた後、ツイッター上に「わきまえない女」という#ができ、活きのいい啖呵が溢れました。家人に叱られたと言ってお茶を濁すんじゃないか、それが常套手段だ、とメールを寄越した友人の予測が翌日、120%当たったので、吃驚。家族が睡眠不足で職場で卒倒したという話になっていますが、ほんとうの迷惑をかけた相手は誰なのか、分かろうともしない。

邪魔なら掃き出してくれ、と見得を切った老人を掃き出す箒は、みんなの手にあります(ん?と思ったが言い出す機を逸した、とあたふた言い訳する柔道家がいましたが、それが試合だったら負けてるよ!)。男社会で、女性を軽んじるのが仲間のサインになる風潮は、めいめいが、毎日根気よく掃き出さなければなくなりません。

渥美志保さんがmi-molletのオンラインで、この件に関して必要なことを言っています。