徳島の原水民樹さんからメールが来ました。本ブログの牧水の歌を見て、自分はこの歌が好きだが、という内容です。
紫陽花のその水いろのかなしみの滴るゆふべ蜩(かなかな)のなく
牧水の歌には「かなし」とか「寂し」といった感情語が多く、しかしその内容が通常の感情よりも複雑で、そこが青春時代の記憶に突き刺さるのでしょうか、ほかの方からも自分が好きなのはこれ、というメールを頂きました。私はツイッターはやらないのですが、「好きな牧水の歌は」という#を作ったら、けっこう多くの投稿があるかもしれません。じつは、私が10代で惹かれていたのはこんな歌でした。
うらこひしさやかに恋とならぬまに別れて遠きさまざまの人
酌とりの玉のやうなる小むすめをかかへて舞はむ青だたみかな
海底に眼のなき魚の棲むといふ眼の無き魚の恋しかりけり
原水さんのメールには、愛犬さくらの写真が添付されていました。
[さくらは、私のまねをして歯ブラシを使いますが、たいてい、毛先と柄が逆になっています。(原水民樹)]
かわいいですね。愛犬家の原水さんならずとも、思わず微笑んでしまいます。コロナ疲れの皆様にもおすそ分け。