コロナの街・part3

差出人厚労省医政局経済課のマスク2枚が、昨日、我が家のポストに投函されました。いわゆるアベノマスクです。ヘルパーさんたちは、薄いガーゼなのでほぐして手作りマスクに重ねて使うそうです。一時は手に入らなかった紙類の衛生用品はもう、店頭に山積みになりました。オイルショックの時と同様、こういう際に、店の本性が分かります。角の薬局は、日頃¥480のトイレットペーパーを¥790で売りました。雑貨屋は使い捨てマスクを1枚¥130で出し、その後¥120に下げました。何故かスープ屋が、マスク1箱¥3500で呼び売りしていたのは一昨日でした。

我が家では心配してくれた方々から1枚、2枚とマスクを頂戴し、今は使い捨てマスクが何回洗って使えるか、実験中です。まず手を洗い、掌に石鹸をつけてマスクの両面を撫でるように洗います。濯ぎに消毒用アルコール(冷蔵庫の中を拭くために買ってあったのですが、使用期限を見たら2012年。気休めに使っています)を入れ、揉まずに押し洗いし、最後にプリーツを広げるようにして上下から水を流し、縦に畳んで水を切ります。

感染と経済の2つの語だけで政策が語られていますが、我々の「生活」はその間にあり、そこを護るのが政治ではないでしょうか。感染と経済のどちらをとるかでなく、それに挟まれた民の暮らしをどう支えるか、から発想して欲しい。「新しい生活様式」などというキラキラしたキャッチフレーズ(せめて用語は「コロナルール」くらいにしておけ)で目先をごまかすやり口は、言葉を扱う専門家としては聞くに耐えないのです。

さしあたって、ふつうの値でふつうにマスクと消毒液が買えるなら、我が家ではコロナ予防のルールに合わせて行動します、指図されなくても。生活様式なんて、家風と同じで、行政が決めるものではない。