見逃すな

もり・かけ・さくらに検察人事―コロナ騒ぎに隠されてはならないもの。今ここで見逃したら、私たちは後世に申し訳が立たない、と思うべきです。法治制度とか政治の公正さとか、我々が毎日、意識せずに踏みしめている足元を崩すようなことだからです。

法務大臣のやぶれかぶれの国会答弁。個人的見解を述べたからいけないのではありません。もしも検察官が9年前のあの日、最初に避難したのだとしても、それと公務員の定年延長をうやむやの中に決めてしまうこととは、何の関係もない。理由にも何もなっていません。法律は論理体系です。論理にならないことで変更してはいけないでしょう。今回の答弁は辞職に値するもので、上司の厳重注意で済むようなことではない。

一方で、公務員の65歳定年は、然るべき手続きを踏んで国会で議論すべきことです。しかし今回、その動機が、永すぎた在職中の不公正を追及されることを恐れるが故ではないかという疑いが持たれ、嫌疑が晴れるどころかますます濃くなってきている。該当人物に草の根から忠告したい―その地位に任命されたら、直ちに私的理由で辞退しなさい、今まで自分の職業に誇りを持って勤めてきたのなら。人間は晩節が大事です。殊に教員や公務員のように、淡々と、一定の水準を保ち続けるべき職業では。

ここ数年の経済政策はまやかしの手法でした。平和時ならごまかしが利いたかもしれませんが、「お札をじゃんじゃん刷って」などという財政には基礎体力がありません。これから難しい日々が、国民負担で続くでしょう。五輪開催の決断を、コロナも「アンダーコントロール」なんて糊塗しないか。眼を大きく開けて見ていなければなりません。

字余りを整えると―見逃すなもり・かけ・さくら・検察庁