日本列島

パンジービオラの色々の苗を買い揃えました。これでもう、今冬の準備は出来た、後は植え替える時間を見つけるだけです。菊の咲き出す時期が1ヶ月ほど遅れたので、例年訪れる蜜蜂はもう来ません。先月初めには毎日やって来て、花のないベランダを飛び回り、ある日、菊の葉の上で暫く眠っていました。待ちくたびれた恋人のようで、可哀想な気がしましたがどうにもなりません。翌日から来なくなりました。咲いたよ、来てごらん、とメールがあれば送ってやりたいのですが・・・

TVでは北国の吹雪を伝えています。バスを待つ間、舗装道路の表面を巻き上げるように過ぎていく吹雪、昼間もまるで夕暮れのようにしんしんと降り籠める粉雪、鉛色の海面に吸い込まれていく牡丹雪・・・40代で経験した鳥取の冬が思い出されます。今の体力ではもう暮らせないけれど、暮らせる時期に何箇所も、地方勤務を体験できたのはよかったと思います。TV画面で視ても、自分の郷里のように眺めることのできる土地が複数できたからです。

宇都宮では、大学構内の落葉をリヤカーに積んで片付ける作業が、1日に何回も行われていました。名古屋では並木の紅葉が美しく、しかしあっという間に裸木になってしまうのでした。図書館長をしていた時、周囲の桜紅葉があまりに綺麗で、通りすがりに拾って来ては机上の書類の山に突っ込んでおいたので、後任者は引き継いだ資料の中から出てくる押し葉に驚いたかもしれません。

鳥取では今頃、道路脇に消雪のための塩の袋が積まれ、積雪時の目印として赤白のポールが立てられ、駅前の植え込みにも雪吊りが架けられます。県花山茶花。冬は魚が美味しくなる季節でもありました。